失業保険受け取る本音
失業保険では「どのような行為が求職活動として認められるのですか」といった質問がかなり多いです。
このような質問は比較的に自己都合で退職した若年層に多く、就職するよりもひとまず失業保険の給付が欲しい人たちによるものです。彼らは一見すると間違った人たちに思えます。
失業保険の「就職しようとする気持ちと、いつでも就職できる能力があり、積極的に就職活動を行っているのにも関わらず、職業に就くことができない状態」という定義にも背きますし、過半数の働きたくて必死で就職活動をする人とは対照的です。
ただ「精神的に休息が欲しい、就職活動は慎重に行いたい、転職ではなく独立の準備をしたい」などと考える人たちを、全面的に否定できるわけはありません。
行政にそこまでサポートする余裕もなく、万能ではない失業保険が、個々の事情には十分に対応できていないことも問題です。
現状では彼らはすぐに就職活動が行えないために、通常では失業保険の対象者からは漏れてしまうでしょう。
そこで実際には就職活動をしなくても、自分なりの求職活動を意図的に作ることで、正当に失業保険を貰う方法が役に立ちます。
将来のためにも失業保険が必要な理由
理由その1「就職はしたいけれど、今は積極的に求職活動ができない」
うつ病などの精神疾患とまではいきませんが、過度のストレスが原因でアクティブに動けない人たちがいます。
職を辞した人たちは多少のストレスを抱えていて、精神的に病むケースは珍しくありません。個人で程度は違っても一時的な休息は重要です。
しかしながら、そのような人たちに給付される雇用保険の種類はありません。まじめに「将来的に失業保険の給付金を前向きな使い方をしたい」と考えても、現状では補助を受けられないです。
理由その2「転職で失敗したくないので、慎重に就職活動したい」
1カ月に2度も求職活動をする仕組みは、長期的な転職スタイルにマッチせず、嘘でもいいので「求職活動の実績が欲しい」と思っている人たちは大勢います。
しかし、ハローワークでは履歴書や面接などの求人への応募をアピールしていて、それ以外の方法は積極的に紹介していません。
理由その3「新しいビジネスで起業するために準備をしている」
自営業を始めた場合は収入の有無に問わず、準備を開始した段階を含み、受給対象外になります。ビジネスの構想を練っているだけで失業保険は下りません。
したがって、失業保険の目的が害されないような、就職活動をしない求職活動の作り方が必要です。
最初に一般的な求職活動を理解する
まずは受給説明会で貰う「雇用保険受給資格者のしおり」に書かれている「失業の認定における求職活動の実績となる行為」を説明します。
これに該当し、実際にこのような行動に移せる人は2~3回の必要回数分の求職活動は簡単にこなせるでしょう。
履歴書や面接などの求人への応募
求人への応募は履歴書を送付したり、面接を受けることです。本気で転職したい人は、この実績が最も多くなります。
これら一般的な求職活動ですが、まだ就職をしたくないにも関わらず、求職活動の実績を得るために、難関企業や有名企業に応募して、不採用通知を貰う人もいます。
中には落ちるような履歴書を書いたり、面接ではやる気のなさを出す人もいますが、これらは企業やハローワークに迷惑がかかるので、絶対にやめましょう。
ハローワークの講習
例えば「履歴書の書き方、自己分析について、面接の心構え」などのセミナーに参加することも、求職活動の実績になります。これらは本当に役に立ちますので、予約をしてみましょう。
ハローワークでの職業相談
ハローワークで求人情報を検索して、任意の求人に関する情報をハローワーク職員に相談することも実績になります。
この場合は企業に応募しなくても、ハローワークの職員に相談した時点で求職活動の実績としてカウントしてくれます。
ただし、ハローワークの職員も慣れていますので、やる気がない人をある程度は見抜いています。その会社に就職する気がないのであれば、このような偽装工作はおすすめしません。
民間職業紹介業者の説明会
転職エージェントに相談したり、転職支援企業の説明会に参加することも求職活動の1つです。
例えば、大手の転職会社では合同説明会や個別相談会を頻繁に開いており、そこでは参加証明書が貰えるので、これが求職活動の証拠になります。
試験や検定などに受験する
資格や検定は合格しなくても受験をするだけで、実績として認められます。本来、スキルアップをしてから、一歩上を目指した就職活動をしたい人にはおすすめです。
ただし、資格や検定は就職活動の方向性に即した内容に限られます。例えば、不動産関連企業に勤めたい人が「危険物取扱者」の試験を受けても、実績にはカウントされません。
9回の求職活動の具体例を真似する
就職活動をしないで求職活動の実績を作りたい人の多くが、自己都合で辞めた人で「一般受給資格者」に該当します。
一般受給資格者は給付制限3カ月の間に求職活動を3回、次の1カ月で求職活動を2回、その次の1カ月でも求職活動を2回、最後の1カ月でも求職活動を2回しなければいけません。
つまり、失業保険の最大給付期間である90日分、満額を得るためには計9回の就職活動が必要です。
最初の給付制限中の求職活動3回のうち2回は「失業保険の受給者初回説明会」と「初回説明会の就職希望アンケート」を実績にします。この2つは失業保険の手続き上、必ず行われるので、必然と2回分にカウントすることができます。
1 失業保険の受給者初回説明会
2 初回説明会の就職希望アンケート
残り1回はハローワークの講習を1つ受けて、実績を作ります。例えば「履歴書の書き方」や「面接での心構え」などがそれにあたり、参加することも不自然ではありません。
3 ハローワークの講習会に参加
ただし「初回説明会が終わった時点からの求職活動が3回必要です」と説明を受けたハローワークは要注意です。別途、2回分の求職活動の実績を作っておくほうが無難です。
いずれにしても給付制限3カ月の間の求職活動の実績は3回となりました。まずは1回分の給付金が貰えます。
資格に受験しても求職活動になる
給付制限後の1カ月の間には資格を取ることも有効です。「1カ月×3回」の求職活動の期間中に、資格試験を4回受験をすれば、求職活動の履歴も4回に達します。
例えば、IT系に就職したいとしたら「MCA」などが比較的に簡単ですし、即日結果が得られます。自分の就職活動に影響があるような資格を積極的に受験しましょう。
4 MCA(データベース)を受験
5 MCA(アプリケーション)を受験
6 MCA(プラットフォーム)を受験
7 MCA(セキュリティ)を受験
実はハローワークによって、この資格の判断基準が差がありますし、資格に詳しくない職員のほうが多いです。今回のMCAもまずはMCAについての質問を受けることになるでしょう。
「このMCAは即日結果が出る試験ですか?」
「受験費用はいくらでしょうか?」
「どこが主催していますか?」
「MCAではどのような問題が出題されるのでしょうか?」
「あなたの就職活動に有利に働きますか?」
MCAはMicrosoftが主催するベンダー資格ですので、ハローワークの職員でも知らない人が多いです。その場合はいくつも質問を受けることにありますので、回答できるようにしておきます。
逆に国家資格の受験であれば、認知度が高いのでこのような質問はありません。そのため、民間資格を国家資格と比較すると、説明が丁寧に聞こえます。
例えば「前の会社では国会資格である基本情報技術者試験に合格すると3万円が貰えました。MCAも3万円貰える同レベルの資格です」と明確に答えると、スムーズに話が進みます。
もしかしたら試験を受けた動機はダイレクトに就職活動につながらないかもしれませんが、そもそも資格取得自体が不正なことではないので、堂々と説明しましょう。
職員が納得する求職活動の実例
先ほどの資格取得と絡めて、民間職業紹介業者の説明会にも行きましょう。例えば「○○個人説明会、合同○○フェア、○○業界支援サービス」などが該当します。随時開催されているので、1つではなくても、2~3個に参加することも可能です。
8 民間業者の合同説明会に参加
有名どころの大手企業であれば、隔週くらいでセミナーが開かれていますので、スケジュールも合います。その際は証拠を残すためにも、受付で個人情報を記入してから参加します。
1回の参加で1回の就職活動になりますので、3カ月の間に3回ぐらいは問題でありません。さらにハローワークによる講習や相談を組み合わせてもOKです。
9 ハローワークの職員に就職先を相談
ハローワークで相談する際に、あまりピンポイントに企業を絞ると、その企業に連絡をして、面接まですることになります。
そこで「このような条件で探しているのですが、なかなか見つからないので、何かおすすめの企業があれば紹介していただきたいのですが…」というように、漠然とした希望を伝えます。
見つかった場合は「転職エージェントの方と給料交渉ができるか相談してみます」と言えば、その場で話が終わります。
ハローワークで相談した場合、雇用保険受給資格者証に「職業相談」の判子を押してもらえます。これが求職活動の証明になるので忘れないように確認しましょう。
これで1回も履歴書や面接などの就職活動をせずに、失業保険を貰うための9個の求職活動の実績作りは完成しました。
注意点としては「ネットを使った求職活動は認められないことが多い、資格もマニアックすぎると担当職員が困惑する、実績を作っても口頭で目的を追求される場合がある」ことです。
嘘を吐くなどの人様に迷惑をかけるような求職活動は控えて、きちんと認められている求職活動で実績を作りましょう。
また、1カ月に最低限必要な2~3個ではなく、5~6個の求職活動を行えば、ハローワークの職員からはあまり質問を受けることなく、スムーズに失業認定申請書のチェックが終わります。